町長室

町長からこんにちは(広報たかより)


2022年03月号より
 昨年末から新年早々に、多可町の将来を左右する重要な2つの答申を頂きました。
 一つは、『多可町生涯学習センター建設基本計画答申書』、もうひとつは『多可町立小中学校の規模の適正化に向けた具体的な方策について』です。
 前者は、合併当初からの懸案事業として、一昨年の春、住民説明会を計画していましたが、新型コロナウイルスの蔓延で中止となり、たかテレビで説明をさせていただきました。
 その後、昨年6月に「生涯学習センター建設基本計画策定検討委員会」を設置し、同委員会へ諮問しました。委員の皆さんには毎月のように検討を重ねていただき、昨年12月2日、全員が参加する中、答申を受け取りました。
 後者は、令和2年7月に教育委員会が、「地域の学校教育のあり方を考える会」に諮問されたもので、今年1月21日に教育長に提出されました。
 この答申では、中学校の早期の統合が子どもたちにとって最善であるなどのご意見が寄せられました。本町のあまりに急激な少子化に対し、検討委員さんの危機感とご心配が現れた内容となっています。
 現在、それぞれの答申を最大限尊重した施設の建設に向け、基本計画の作成に着手したいと考えています。当然のことですが、このような重大な事案は、住民の皆さんにその事業の必要性について十分な説明が必要です。
 また、国などの有利な制度をフル活用し、より広範で精緻な検討を進める必要もあります。
 よって、基本計画(素案)の住民説明会を予定していましたが、またしてもまん延防止等重点措置が発令され延期せざるを得ない状況が続いています。皆さんに早期に現状を説明できない状況に大変なもどかしさを感じながらも、真摯に検討いただいた両検討委員会の意向を尊重しつつ、加えて、地域住民の皆さんから広くご意見をお聞きすることができるよう、まずは、たかテレビなどを活用してお伝えします。
 また、パブリックコメントで頂いたご意見も反映していきたいと考えています。
 皆さんには、何卒ご理解頂き、たかテレビや広報による情報提供をご参照くださいますようお願いいたします。


 

2022年01月号より
新年のごあいさつ
「禍」転じて『福』となす年を願って

 新年あけましておめでとうございます。
 晴れやかに新年をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
 年頭に当たり、謹んでごあいさつ申し上げますとともに、日頃から町政発展のためにご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 
■昨年を振り返り
 コロナ禍2年目となった昨年も、世界中で猛威を振るい続けた新型コロナウイルスにより、緊急事態宣言が繰り返された年となりました。感染拡大の不安とともに、様々な活動自粛の要請により、地域経済や雇用、所得に多大な影響があったことと思います。住民の皆さんそれぞれの立場で、我慢の年であったのではないでしょうか。
 さて、初めてのコロナワクチン集団接種では、大きな問題もなく、希望する全ての方に接種いただくことができました。
 これも偏に住民の皆さんのご理解とご協力をはじめ、命と健康を守るため昼夜問わずご尽力いただきました医療・福祉関係者の皆さん、各事業所の皆さんのおかげであり、厚くお礼申し上げます。
 なお、この原稿を書いている時点では、新規感染者数は低位で推移しておりますが、非常に感染力が強いとされる新種のオミクロン株が猛威を振るいつつあります。残念ながら、もうしばらくは「ウィズ・コロナ」で暮らしていかなければならないと感じています。
 
■新しいまちづくりの幕開け
 迎えた令和4年は、人口減少や少子高齢化への対策が喫緊の課題となる中、国レベルで、デジタル化、脱炭素化など新しい流れが加速化しています。
 まずは、コロナの影響で冷え込んだ地域産業をお支えするとともに、住民の皆さんの生活を守り抜くために、国や県の制度を活用し、多可町の実情に沿って迅速に対応していきます。
 なお、新年早々に、3回目のコロナワクチン集団接種に向けての予約がはじまります。前回に引き続き、住民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。
 また一方で、これまで脈々と受け継がれてきた多可町の自然、多くの方々の願い、そして今ここに生きる皆さん自身が十分に活かされるよう、アフターコロナの時代を見据えたまちづくりも進めていきます。
 豊かな多可町の森林を活用するクアオルト事業(健康ウォーキング)を通じて、新しい人の流れを作るとともに、結婚・出産・子育てにわたる切れ目のない支援を引き続き行い、『子育てするならダントツ多可町』を目指します。
 更に、今後建設予定の生涯学習センターが、住民の皆さんの新しい居場所となり、誰もがいきいきと生涯活躍できるステージづくりを本格化させます。
 ふるさと多可町が、堅実に続く安らぎの場所であり続けるよう、これからも住民の皆さんとの揺るぎないパートナーシップのもと「住みたい町・住み続けたい町へ」の実現に向けて邁進していきます。
 本年が、皆さんにとって幸多い年となりますことを願うとともに、未来に希望を見出せる素晴らしい1年となることを心から祈念し、年頭のご挨拶といたします。


 

広報たか2021年12月号より
2期目への思い
吉田一四町長就任のごあいさつ

【重点施策】
1.子育てするならダントツ多可町
2.より一層の行政サービスの向上
3.地域産業の育成と積極的企業誘致
4.生涯学び続けられる生きがいあふれるまちづくり


 新型コロナウイルスによる世界的な危機は、これまで当たり前とされてきた物の見方や考え方、社会の価値観に大きな変化をもたらしました。
 当分、地域社会を取り巻く環境は目まぐるしく変化し、先行きが不透明な時代が続くでしょうが、そう遠くない時期に、アフターコロナと言われる時代の大きな転換期を迎えると思います。その時代を見据え、住民の皆さんが、心身ともに健康で日々の暮らしの中で幸せを感じ、将来に希望が持てるまちづくりを進めていきます。
 住民の皆さんと力を合わせ、一つ一つ課題を克服し、町政の更なる進展に全力で取り組んでまいります。

■子育てするならダントツ多可町の実現
 これまでの4年間、子育て世代に選ばれるまちを目指し、多様な子育てスタイルに対応できるよう、事業を展開してきました。
 保育料の軽減をはじめ、所得制限なしで高校生までの医療費無償化など、壹つ一つの事業は、子育て先進自治体とそう見劣りするものでは決してありません。
 2期目は、多可町が取り組んでいるきめ細やかな制度や事業が、実際の運用の中で利用者にとって最善なのかを点検しながら、質の向上に向けて取り組むととともに、必要なご家庭にベストなタイミングで活用頂けるよう、情報発信にも力を入れていきます。
 また、顕在化しづらくなっているいじめ問題などに対し、弁護士などの専門家と相談体制を強固にし、スピーディーに対応していくことで、早期問題解決を図っていきます。
 
■より一層の行政サービスの向上
今年9月にデジタル庁が誕生し、さらに、先月に発足した第2次岸田内閣では、地方にデジタル技術を普及させ、都市部との格差や距離を縮めて活性化を目指す「デジタル田園都市国家構想」を看板施策に掲げ、地方のデジタル実装に向け政策を総動員するとしています。
 多可町においても、すでに行政手続きのオンライン化で「待たせない」「書かせない」役場の窓口を目指し、住民の皆さんの利便性向上に向けて取り組んでいます。
 併せて、職員の業務効率化、働き方改革も進めていきます。 
   
■地域産業の育成と積極的企業誘致
 地域産業として、農業と林業の後継者不足という中長期的な問題に加え、コロナ禍の現在、更なる問題が顕在化しています。農業では、特に時短営業や休業を強いられた飲食店で米や酒の需要が減り、在庫が積み上がっていることが大きな問題となっています。
 多可町は山田錦発祥のまちとして、長い歴史の中で、代々、生産技術を継承してきた土地です。引き続き県や国の動向を注視しながら、支援・応援を検討していきます。
 林業においても、ウッドショックと呼ばれる世界的な木材価格の高騰と品不足が生じています。林業の持続性を高めるために、また、多可町の豊かな森林を活用したクアオルト事業を推進していくためにも、ピンチをチャンスに変えるべく展開を図っていきます。
 中小企業への応援については、引き続き、商工会と連携して取り組んでいきます。
 また、企業誘致については、あらゆる機会を捉え企業関係者の意向を与し、職員のマンパワーを存分に発揮して、多可町への呼び込みを進めていきます。
 
■生涯学び続けられる生きがいあふれるまちづくり
 人生100年時代、子どもから高齢者まで、すべての人に活躍の場があり、すべての人が自分らしく活躍し続けられる社会をつくる必要があります。アフターコロナの社会を見据え、多可町の皆さん一人ひとりが、自己の人格を磨き、その生涯にわたって、あらゆる機会にあらゆる場所において学習・交流することができ、一人ひとりの自己実現を応援する拠点「生涯学習センター」を整備していきます。
 お年寄りがご家庭でひきこもることなく、お孫さんと一緒に生涯学習センターで過ごすことができる、また、働き盛りのお父さんお母さんも一緒に3世代で、それぞれ自分の時間を豊かに過ごすことができる・・・そんな拠点にしたいと思っています。 


 

広報たか2021年10月号より
黄金色の稲穂の実りが大変美しく、収穫が楽しみな時期になってきました。今年も風水害の被害を受けることなく、無事収穫できるように願ってやみません。
 多可町にとって、農林業は主要な産業で大変重要な政策課題です。
 林業におきましては、米国での旺盛な住宅需要など複合的な要因により、輸入木材の高騰「ウッドショック」が、国内の住宅産業を直撃しています。 
 戦後、木材輸入の増加を受け、国内では林業従業者が減少しているため、いきなり国産材で賄おうとしても厳しい状況です。
 しかし、今回の混乱を逆手に、地域に新たな流れを作っていけたらと思います。
 また、新しく『森林環境譲与税』の導入により、これまで、費用対効果の面から手が付けられなかった場所の森林整備が可能となり、仕事量が増加することが予測されます。これに加えて、多可町では『森林環境譲与税』の新たな利用法として、町民の皆さんの健康増進を図ると共に、「森林サービス産業」として都市住民との交流を目指す、クアオルト事業の振興についても計画を進めており、町内外を問わず大勢の誘客を目指しています。
 その一方で、農業は大変厳しい状況であると認識しています。
 新型コロナウイルスの感染拡大による外食産業の低迷を受けて、日本酒の消費低迷に伴い山田錦の需要が落ち込んでいます。蔵元が求める優秀な山田錦を生産するため、長年その品質確保に懸命に取り組んできた甲斐もむなしく、想定外に大きな減産要請がありました。各農家におかれましては、大変苦慮されていることと思います。
 今年の初めに、「営農継続支援金」として3反以上の作付け農家に対し、支援金を交付しましたが、農家の方々からは再度の交付の要請を受けています。
 財政的観点から今のところ再交付は考えていませんが、今後、状況が改善されなければ、相応の対策が必要と考えています。
 農林業は、一朝一夕になし得るものではありません。長年の経営努力を必要とする産業です。
 そのためにも、農林業者が安心して従事できるよう安定した事業継続への支援が必要であると思っています。


 

広報たか2021年9月号より
大変暑い日が続いています。今年も、新型コロナウイルスの感染症対策と、熱中症対策を併せて取りながらの盛夏となり、体力気力ともに苦労が重なる毎日です。
 そんな中、「TOKYO2020オリンピック」が開催されました。世界中から集まった選手やスタッフの皆さんも、感染症と熱中症の対策に大変苦労されたことと思います。
 日本全国でいまだ新型コロナウイルス感染症の猛威は収まらず、感染者が増え続けているこの時期に、東京でのオリンピック、パラリンピックの開催が本当に良かったのか、さまざまな意見が残るところです。
 それでも、テレビを通して観戦した私たちにとっては、選手の皆さんの熱い戦いや、素晴らしい演技に感動の連続であり、かつ過去最多のメダル獲得という快挙も伴って、多くの皆さんが元気を貰ったのではないでしょうか。
 さて、町長の職についてから、事業調整や要望活動で上京する機会が増えました。東京に行くたびに、移動手段についても食住についても、大変便利に出来ていることを実感します。
 一方で、地下から地上に渡って3層構造の高速道路や、見上げると首が痛くなるほどの高層ビルを目前に巨額インフラ投資の功罪を思い、これ以上東京に何もかも集中する必要があるのかと自問自答している自分がいます。
 皮肉なことですが、新型コロナウイルスが、改めて東京一極集中への問題も提起しているのではないかと思います。
 アフターコロナの時節には、地方に住む私たちが、その地域の良さに自信と誇りを持って、豊かな暮らしが出来ていることを都会にアピールしていきたいと思います。
 そして、本当の意味で『地方の時代』を迎えることが出来るよう、住んで良かったというまちづくりに努めていきます。


 

広報たか2021年8月号より
 今年も残念なことですが、自然の猛威による大災害が起こってしまいました。伊豆半島の熱海市の土砂災害で亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
 さて、最近はインターネットが普及し、簡単にさまざまな情報を取得できるようになりました。そのため今まで見たことのないような貴重な記録映像が公開され、災害の実態や恐ろしさが手に取るように分かるようになってきました。
今回の土砂災害の映像も、本当に災害の恐ろしさを物語っており、東日本大震災の津波の映像を思い起こさせるものであったような気がします。
 これらの身を挺した情報提示を教訓としてしっかり受けて止め、災害に対する心構えに役立てたいと思います。
 本年度から災害対策基本法の一部が改正され、避難情報が「避難準備情報」から「避難指示」へとなり、昨年までの「避難勧告」の段階がなくなりました。避難指示の発出には、受入体制の準備が必要で、大半の職員が日常業務から離れて対応する必要があります。
 また休日や夜間ですと、職員の招集から始めなくてはなりません。 さらに、皆さんの避難行動に際しては、時間帯や降雨の状況により危険にさらされる可能性を考慮する必要もあります。そのため、避難指示は、発出する自治体としても、相当の情報分析と覚悟が必要で、その判断に迷いが付きまといます。
 しかし、早めの避難は、被害を最小限にとどめるための唯一の方法です。今回の熱海市の状況についても、今後の判断のための教訓にしたいと思います。
 さて、この広報が届く頃には、東京オリンピックがどのような状態で開催されているかが分かっていることになりますが、この原稿作成時には、自治体が接種を進める、ファイザー製のコロナワクチンが不足して接種が遅れてきています。
 また、関東地方ではリバウンドによる感染拡大の傾向が示され始めており、開催に向けて、批判的な声が大きい状況です。
 国民の大半がコロナワクチン接種を終え、感染拡大に一定の抑止効果が出る中で、安全安心なオリンピックが開催されていることを祈るばかりです。


 

広報たか2021年7月号より
 蒸し暑さとカエルの大合唱で、いささか睡眠不足が続く季節となりましたが、皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
 5月10日から開始した65歳以上を対象とした新型コロナワクチンの集団接種は、希望される方の2回目の接種が、7月上旬でおおむね終わる目処がつきました。医師会の皆さんをはじめ、関係者の多大なるご理解とご協力に改めて感謝申し上げます。
 さて、コロナ禍でほとんどの会議がリモートになる中、先日久しぶりに神戸での会議に出席しました。その時、なんと見つけました。『青空を見上げて子育て・多可町号』を。
 『青空を見上げて子育て・多可町号』は、西脇ー神戸・USJ間を走る神姫バスに多可町の自然や子育て環境をPRしたラッピングバスのことです。 (今年5月から1年間運行)思わず、運転者と指を指して声を上げてしまいました。
 バスはタカタータンを纏い、多可町の豊かな自然とともに、親子5人(佐藤さん親子)の笑顔がプリントされています。このラッピングバスのデザインを手がけたのは、地域おこし協力隊の黒川隊員です。デザインをするにあたり、多可町の良さをリアルに伝えたかったと言います。
 子どもの誕生をきっかけに多可町に移住された佐藤さん親子にデザイン前に行ったインタビューで、「以前住んでいた都会では、子どもを安心して外で遊ばすことができなかったけど、多可町では近所に知り合いが多く、豊かな自然の中で、安心して遊ばせることができる」と聞き、地域全体で子育てができるまち・多可町は、兵庫県の真ん中だけど子育てもど真ん中だ!!と感じたそうです。その思いを、見事にデザインしてくれました。
 都会では感じられない季節の移り変わりを感じながら子育てが出来る、暮らすことが出来る…。自然と共に暮らす中に、実は、とても大切なモノがあることを、若い世代の彼らから改めて教えてもらいました。
 このバスの効果か、連日、移住に関する相談があり、近隣自治体からの問い合わせもあります。
 私たち町民自らが多可町の良さを再認識して、移住・定住者を温かく迎えたいと思います。


 

広報たか2021年6月号より
6月に入り梅雨の時期を迎えます。ここ数年、多可町は大きな災害に見舞われることも無く過ごしてきました。しかし今年もそうであるとは限りません。気象庁の予報では、6月は平年に比べて曇りや雨の日が多いとされています。
今一度、大雨を含めた災害への備えを、各ご家庭で進めていただきたいと思います。
出水期前の令和3年5月20日、災害対策基本法が一部改正となり施行されました。避難を促す情報について「避難勧告」を廃止して「避難指示」へと一本化することや、高齢者や障がい者など避難に支援者が必要な人のための「個別避難計画」作成を市町村の努力義務とすることなどが改正内容となっています。町としても、町民の皆さんの確実な避難や避難行動要支援者の対策について、これまで以上に取り組んでいきたいと考えています。
 災害への備えとして、先月号と同時配布で、更新した防災マップを全戸にお届けしました。手の届くところにおいて、常に確認して備えにつなげていただきたいとの思いで、冊子タイプの保存版としています。
 また「逃げ時」や、避難方法・避難経路を確認するための「マイ避難カード」としての記載欄も設けています。
 なお、防災マップの表紙の写真は、いわゆる「38豪雨」のときの中区の様子です。私は小学校の低学年でした。多可町での一番大きな災害として、私にとっても忘れられない体験として記憶に残っています。近年は、このような災害が「いつでも起こる」と考えなければなりません。自然災害の発生を防ぐことはできませんが、被害を最小限に抑えることはできます。
 町としては、防災マップでの啓発や施設の強靱化、自主防災組織への支援などを進めていますが、ひとたび豪雨や地震が発生すると行政ができることはごくわずかです。
 自分の命は自分で守る〈自助〉、地域で助け合う〈共助〉の意識を高めることで、地域の防災力をより強くしていくことが重要です。各家庭や地域で十分な話し合いをお願いします。


 

広報たか2021年5月号より
八千代区俵田にある小円織物(有)が、『ひょうごクリエイティブビジネスグランプリ2021』で、奨励賞を受賞されたことを新聞で知り、お話を伺いました。
 このひょうごクリエイティブビジネスグランプリ2021は、県が主催となり、斬新な発想やユニークなアイデアで先導的、モデル的な事業を展開する企業などを顕彰する事業で、昨年の(有)畑中商店の優秀賞に続いての連続受賞でした。
 小円織物(有)は、大正15年創業の播州織の織物製造会社で、現在息子さんの小林一光さんに事業継承され、自社の力で販売できるように、平成26年からオリジナル商品の開発に取り組まれています。
 小林さんは、若手のパワーと発想力で播州織の未来を見据え、新しい取り組みを積極的に展開されています。また、播州織の若手で結成する「播州織ネクストジャパン」のメンバーとしても活躍されています。
 「日本のいいものを若い世代や海外の人にも伝え、使用して欲しい」という思いで、手ぬぐいをテーマに開発した『TENUGUI』の商品展開が高い評価を受け、今回の受賞に繋がったとのことです。
 小林さんは、昨年から続くコロナ禍の中においても、常に前向きに企画を打ち出し、従来の播州織の概念を打ち破り、自社ブランドの確立に全力で邁進されました。
「ただ言われたもの織るだけでは面白みが無い。ファッションやブランドに対してアンテナを高くし、常に楽しいことに挑戦したい。動いていないと死んでしまうマグロのような人間なので、暇という言葉が一番辛いです。」と語られていました。
 忙しい時は、15~18時間は工場に出ているということです。その原動力は、播州織を守ろうとする情熱であると感じました。
 今後はHPを開設しECサイトとして自社販売できる体制を構築し、他社には真似できない商品を販売することなどを計画されています。
 若い世代の頑張りに心から期待したいと思います。


 

広報たか2021年4月号より
令和3年度予算ができあがりました。
 私の町政の基調として「変革そして未来への約束」を掲げる中で、本年度は「子育て支援体制のさらなる充実」として予算編成にあたりました。
 一般会計の予算総額では116億4,700万円で、昨年度より9,900万円の減額となっています。その他すべての会計を合わせると、207億7,300万円の規模になります。
 皆さんから納めていただいている税金に加え、国・県からの交付税や町債、および基金の繰り入れで歳入を計上し、各種の事業に充当するよう歳出を組んでいます。
 町の将来を考え、スリムな行政への変革に努めてきましたので、予算規模は縮小傾向にありますが、今年度は新型コロナウイルスワクチン接種費用として1億1,000万円、コロナ対策の企業支援で約1億円の臨時経費を追加計上しています。
 加えて、「民でできることは民で」の考えの下、学校給食センターや両キッズランド、各種観光施設の運営を民間に委託し、民間の力をお借りして圧縮した経費を子育て支援に優先的に充当することで、「子育てするなら多可町」を目指しています。
 昨年度から実施してきた小児インフルエンザ予防接種への支援を、1回2,000円に倍増。医療費の無償対応については、高校生までに拡充し、所得制限を撤廃しました。
 また、乳幼児を自宅で保育されている家庭への支援として、月額1万円の在宅等育児手当も継続していきます。
 厳しい財政状況ではありますが、多可町では引き続き子育て支援の施策を優先的に考えていきます。
 多可町に住んでおられる皆さんはもちろんのこと、これから子育てを始めるという世代の方が、「多可町に住みたい」と言っていただけるよう、これからも多可町の子育て支援を皆さんと一緒に考え、よりよい施策に取り組んでいきたいと思います。


 

広報たか2021年3月号より
新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が延期となり、さらに継続して感染症対策が要求される事態となっています。
 皆さんには、新しい生活様式への取り組みやさまざまな制限、自粛にご協力いただきありがとうございます。
 やはり、この緊急事態宣言を乗り越え、これまでどおりの生活を取り戻すためには、新型コロナウイルスワクチンの効用に期待せざるを得ません。 
 このワクチン接種は、各自治体で実施することが決定しましたが、何から何まで初めてのことで、これまでに例のない事業です。その成功の鍵は、国・県・町や医師会のみならず、町民の皆さんのご理解・ご協力が不可欠です。
 2月3日の西脇市多可郡医師会と行政との合同会議では、私も西脇市片山市長と同席し、医師会への協力をお願いしました。医師会としても非常事態の認識を同じくしていただき、できる限りの協力を申し出ていただきました。医療現場は今も非常に厳しい状況です。その中でご協力いただけることに心より感謝申し上げます。
 しかしながら、現段階では国からの情報提供が不足しています。町の予防接種推進本部で方針を決定しても、変更を余儀なくされることも想定されます。
 町では、4月以降のワクチン接種開始に向け、できる限り安全で早急な対応をと準備を進めています。3月中には対象者の方へのご案内とクーポン券の配付を予定しています。
 4月の集団接種は、アスパルを会場に実施します。 また、接種会場への送迎も計画しています。スムーズなワクチン接種に向けて最大限努力していきますので、どうそよろしくお願いします。


 

広報たか2021年2月号より
 令和3年1月10日、多可町成人式を開催しました。
 今年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催の是非について全国の市町村で判断が分かれることとなりました。
 連日、全国各地の感染者記録が塗り替えられる中、若い世代の人たちを一堂に集めることや、感染拡大地域からの移動を余儀なくされる事態を招くことについて、議論がなされました。
 北播磨管内の市町は、できる限りの感染防止対策を講じた上で、予定通り開催することを決定しました。
 成人式は、新成人にとって一生に一度の特別な行事です。開催を断念された市町も開催を決定した市町も、それぞれに最善の方策を判断されたものと思います。
 多可町では、新成人で構成した実行委員会と十分に協議調整を図りながら、式典の内容を決定しました。
 例年よりも規模を縮小することから、来賓のご臨席や保護者のご観覧をお断りしたり、式典時間を短縮したり、新成人同士の接触を最小限にお願いしたりと、たくさんの制限を伴った開催となりました。
 当日参加いただいた新成人の皆さんにも、マスクの着用や検温、健康チェックシートの提出など、感染防止対策にご協力いただきました。
 私からも挨拶で、「自分自身が感染していると思って行動してほしい」というお願いをさせていただきました。
 対象人数247人のうち、192人と約8割の方に参加いただき、新成人の皆さんの責任ある行動で多可町成人式は滞りなく進行することができました。皆さんのご協力に心から感謝申し上げます。
 緊急事態宣言の発出や自主的な自粛などで参加を断念された皆さんには本当に残念でなりませんが、また元気な顔を見せていただきたいと思います。


 

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