町長室

町長からこんにちは(広報たかより)


2023年12月号より
「秋深まり、絆も深まる」

秋が深まり、各地からの紅葉の便りが届く季節となりました。
 その紅葉の季節に合わせて、生涯大学「多可学園」の学外研修が11月10日に行われました。
 運営委員の皆さんが何度も検討を重ねて企画された「秋の京都嵐山鈴虫寺にて鈴虫説法とトロッコ列車」の旅には、95人の参加がありました。
 私も、多可学園の学長という立場で、初めてこの学外研修に参加させていただきました。
 当日の朝はあいにくの雨模様。京都までの道のりも、たたきつけるような雨が降り、これは大変な1日になると心配していました。
 ところが、鈴虫寺の駐車場に着く頃には、ぴたりと雨が止み、約650mの道のりを、皆さんそろって元気に歩いて参拝することができました。
 これほどの御利益はないと喜ばしい気持ちになりました。
 鈴虫寺での説法で私が心に響いたのは、「楓葉経霜紅(楓の葉は霜を経て紅)」という言葉です。
 妄想や執着から苦難が生じる。あるがままに受け入れる、という自戒の念を感じました。
 嵐山での食事中は、また雨に降られましたが、トロッコ列車の駅までの道のりは雨が上がり、ゆっくりと移動できました。
 本当に私たちの予定に合わせたような天気で、無事に予定どおりの時間に多可町に戻ってくることができました。
 参加された皆さんには、それぞれに貴重な学外研修になったことと思います。
 さて、道中の話の中で、多可学園は女性のメンバーがほとんどで、男性メンバーが少ないと聞きました。生涯学習まちづくりプラザの建設工事も着工しています。今後、男性の皆さんの生涯学習への参加が増えることを期待しています。


 

2023年11月号より
「さぁ今宵も日本酒で乾杯!」

晩秋の季節となり、頭を垂れ黄金色に実った山田錦の刈り取りが盛んに行われているところです。
 今年は、台風の襲来も無く、比較的に少雨の天候でしたが、昨今の酷暑の影響で、山田錦の品質が心配されるところです。
 そんな中、恒例の「日本酒の日コンサート」が、10月1日にベルディーホールで開催されました。
 これまで、加藤登紀子さんを招いて日本酒の日コンサートを開催していましたが、30年を節目に区切りとしていました。
 しかし、山田錦発祥の地として、10月1日の日本酒の日のイベントは継続していくべきだということで、ベルディーホールの関係者の皆さんに検討いただき、今年は「日本酒とジャズ」の形で、日本酒の日を迎えました。
 阪神間で活躍する光岡尚紀さん、中山瞳さん、引田裕路さん、西村有香里さんの4人によるセッションで、ジャズ初心者の私たちにも耳慣れた定番曲が次々と演奏されました。
 素晴らしい演奏と、美味しいお酒におつまみを楽しみながら、時を忘れてジャズのビートに酔いしれました。
 コンサートのラストは、加藤登紀子さん作詞作曲の「乾杯!」です。男声コーラス隊の皆さんとともに合唱し、最高潮の盛り上がりの中コンサートが終了しました。
 帰り際には、大勢の皆さんから「大変良かった。」とのお声をいただました。
 来年度以降も、日本酒の日のコンサートを、皆さんの声を聞きながらではありますが、引き続き開催していきたいと思っています。
 秋の夜長は、日本酒がすすむ季節です。ゆっくり流れる時間の中で最高の酒を楽しみ、明日の英気を養いましょう。


 

2023年10月号より
「「敬老文化」のまちの誇り」

多可町発祥の「敬老の日」は、旧八千代町長の門脇政夫さんが9月15日を「としよりの日」と定めたことに由来します。
 その後、ハッピーマンデー制度により、日付が変動することとなりましたが、発祥の地多可町では、元来の9月15日に、毎年、喜寿敬老会を開催しています。
 残念ながら、コロナ禍で3年間実施できませんでしたが、今年はベルディホールを会場に、対象者370名のうち、91名の皆さんに出席いただき、盛大に開催することができました。
 式典では、落語や手品の余興と昼食を楽しんでいただき、同年代の思い出話に花が咲いていました。
 多可町では、平成29年度の敬老の日発祥50周年記念事業で、「敬老文化」のまち宣言を行いました。
『私たちは、永きにわたり社会に貢献された高齢者を敬愛し、その優れた知恵や経験を受け継ぎ、子や孫へと確実に伝えます。
 また、自らの知識や意欲を高め、地域を支える一員としていつまでも元気に活躍し、充実した人生を送ります。そして、すべての世代が互いに助け合い、笑顔あふれる多可町をめざし、ここに「敬老文化」のまちを宣言します。』
 この「敬老文化」の精神は、高齢化社会の中で、高齢者の元気や生きがいを町づくりに生かすため、高齢者の健康寿命の延伸に町として精一杯取り組むことだと受け取っています。
 挨拶の中で、「元気アップ体操」や、携帯電話を利用した「フレイル予防」など、各種施策を活用して健康寿命を伸ばし、今までの人生でできなかったことに挑戦していただきたい。また、地域活動やボランティア活動を通して皆さんのお力を貸していただき、多可町のためにもう一肌脱いでいただきたい、とお願いしました。
 私たちも、「敬老文化」の精神を若い世代へとしっかり引き継ぎ、高齢者への愛情と尊敬を心に抱いて、町づくりを進めていきたいと思います。


 

2023年09月号より
「想定外を想定しましょう」

9月1日は、「防災の日」です。今からちょうど百年前の1923年に発生した「関東大震災」が由来とされます。
 そしてこの頃は、立春から210日あたりで、台風などの自然災害の多い時期とも重なり、防災への心構えを確認する日となっています。
 多可町においても、9月3日に多可町防災訓練を予定しています。集落における避難確認や町による指定避難所訓練を予定していますので、災害に備えることの重要性を認識し、積極的な参画をお願いします。
 8月15日に予定していた「第18回多可町ふるさとの夏まつり」。
 今年は4年前に台風のために中止してから、コロナウイルス感染症の影響で3年間実施できず、ようやく実施できる見通しで、実行委員会や役場職員が一丸となり準備を重ねましたが、台風7号の影響で中止せざるを得なくなりました。
 この祭りでの花火にはたくさんの方々から協賛金を提供いただき、花火に対する大きな期待があったことも合わせて、大変残念な結果で申し訳ありませんでした。
 協賛金については、提供いただいた方々のお気持ちに沿った形で対処させていただきます。
 この厄介者の台風7号は、兵庫県を縦断し、その中心がほぼ多可町の真上を通過しました。その結果、夏まつりの中止こそありましたが、大きな災害には至っていません。これは不幸中の幸いと言うほかありません。
 一方、非常に大きな台風であったので、その影響か近畿地方のみならず東海地方にまで被害が及んでいます。
 このような幸運がいつも助けてくれるとは限りません。明日は我が身との気持ちを持って、準備に万全を期することが大切です。
 もしもの時は、町やテレビからの情報を充分取り入れ、積極的に避難行動を取ることが重要です。避難訓練への参加も含めて、普段から準備をお願いします。


 

2023年08月号より
 今年の夏の天候は、エルニーニョ現象が活発なことから、猛暑の予想がされています。皆さん、熱中症などに十分ご注意ください。
 さて、ここ数年、コロナ禍の影響で消防操法大会を中止していましたが、今年は4年ぶりに操法大会を実施しました。
 例年は、4月から6月の大変暑い中、大会に向けて各部が練習に励み、区大会、町大会を開催し、上位の部は、北播、県大会へとその駒を進めるに当たり、半年も練習をしていただいていました。
 そのような中、消防団員の負担の増加や操法大会のあり方については、各方面からさまざまな考え、意見をお聞きしており、従前より消防幹部と行政が課題を共有していました。
 これを踏まえ、消防操法大会は、各団員の負担を軽減しながら、実際の消防活動に役に立ち、団員の安全を確保することを重要課題とし、大きな改革に取り組んでいただきました。
 具体的には、地区大会を廃止して、おおむね3年に1度の割り当てによる出場チームで町大会を開催。また、団員の負担軽減のため、練習開始を大会前1カ月程度からと取り決めました。
 多可町は、北播磨地区の中で比較的広い地域への消防力の展開が必要です。北はりま消防組合の3つの出張所に加え、自分たちの地域は自分たちで守るという、地域防災の要である消防団の力はとても大きいと感じています。
 その意味で、住民を助けるだけの力量と技量、そして熱意の醸成について、消防団に期待するところです。
 操法訓練は、機械器具の取り扱い、非常時の情報伝達、ケガをしないための基本動作などを会得する貴重な機会でもあります。
 できる限り団員の負担を減らし、継続的に維持できる方法を、今後も消防団幹部と協議しながら検討していきます。
 皆さんには、消防団活動にご理解を賜り、積極的な参画をお願いします。


 

2023年07月号より
「多可町産山田錦を使用した日本酒で今宵も乾杯!」

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが変更されたことにより、町内の各団体において、これまで控えていた総会行事が一斉に再開しています。
 そんな中、中区・加美区・八千代区の3つの山田錦部会の総会に出席した際、コロナ禍で減産が続いていた山田錦の生産量に回復の兆しが見られることを深く喜ばれていました。
 多可町の山田錦の生産は、この3部会とJAみのりとの連携による「村米制度」を活用して、品質確保と販売拡大に努力いただいています。
 西脇市に新たな酒蔵ができたことから、多可町でも酒蔵の誘致を望む声があります。
 しかし、日本種の国内需要が減ってくる中で、酒蔵の誘致は容易なことではなく、その代わりとして「村米制度」の活用を図っていきます。
 「村米制度」は、先ほどの3部会を中心に、地区の農家が特定の酒蔵と相互に友好な関係を作ることで、生産者と消費者の顔の見える繋がりを形成できる制度です。
 農家にとっては、自分の作った山田錦が銘柄酒となることから、肥培管理や日常管理を通して優良品質の維持と生産量の確保の重要性の認識に繋がります。合わせて、農家同士が切磋琢磨しながら生産技術の向上や相互補完に努め、生産地の信頼が生まれます。
 また、酒蔵にとっては、最高品質の兵庫県産山田錦を表示することで、銘柄酒の売り上げアップが期待でき、品質や収量が信頼できる酒米の確保が地域ぐるみで担保されることがメリットです。
 この「村米制度」により、多可町産山田錦や買い上げ価格の向上が期待できます。村米を契約した酒蔵が、多可町の酒蔵と言っても過言ではありません。
 ちなみに、中区は「福光屋(石川県)」と「日の丸醸造(秋田県)」「那波酒店(秋田県)」「鈴木酒造店(秋田県)」、八千代区は「桝田酒造店(富山県)」と長年のお付き合いです。また新たに、加美区で「秀鳳酒造場(山形県)」とのお付き合いも始まりました。
 ぜひ、多可町の酒蔵のお酒としてお買い求めいただき、日本酒で乾杯!をお楽しみください。


 

2023年06月号より
「5年ぶり!ふるさとの夏まつり開催」

今年の大型連休はいかがお過ごしでしたか。後半を除いて良好な天気が続き、それぞれの時間を有意義に過ごされたと思います。
 さて、5月8日から、新型コロナウイルス感染症の法上の位置づけが「2類相当」から「5類相当」に移行しました。
 3年を超える間、私たちの生活の上に重くのし掛かった暗雲から、ようやく光が見えてきました。
 多可町では、職員のマスク着用を個人の判断としましたが、受付などで設置しているアクリルパネル等はしばらく様子を見ることとなりました。今後、住民の皆さんの声を聞きながら、感染症の影響を考慮して対応します。
 それに加えて、65歳以上の方や医療関係者への6回目のワクチン接種が始まりました。私も、役場正規職員の中で唯一のワクチン接種該当者ですので、松井庄診療所にて接種しました。
 4月から、松井庄診療所は町の直営診療所から、大山記念病院の指定管理に移行しています。新しい体制になって初めて私も伺いましたが、職員の方から丁寧に説明いただき、スムーズに接種できました。近隣の皆さんはぜひご利用いただき、ご意見をお聞かせください。
 また、本年度予定している各種事業においても、アフターコロナの体制に移行しています。
 特に今年は、「ふるさとの夏まつり」の5年ぶりの開催に向けて、現在、中区での実施を検討委員会において調整いただいています。
 これまでの夏まつりの目的でもある、帰省した若者の交流の場、また、地域の皆さんの親交を深める場として開催することが大切と思っています。
 花火についても、これまでの規模と比べると縮小にはなりますが、皆さんの協力を得ながら、できる限り華やかに実施したいと考えています。
 楽しみにお待ちいただき、ぜひたくさんの皆さんがお越しくださることを願っています。


 

2023年05月号より
「高齢者のスマートフォン使用率ダントツを目指して」

新緑が美しい季節となって参りました。山々の新芽の芽吹きや、田んぼの様子が変わって、季節の移り変わりを実感しているところです。
 さて、本年度の国の目玉事業として、「デジタル田園都市構想」の取り組みが掲げられています。
 本町においても、多方面でデジタル化による業務の効率化のみならず、新しい時代への対応として、各種業務の見直しを進めています。
 そんな中、本町では皆さんのご協力により、マイナンバーカードの交付率が7割を超え、県内41市町中13位と比較的高い数値となっています。(3月末時点)
 その結果、国からモデル事業として、公式LINEを利用した高齢者のフレイル予防事業を進めることとなりました。
 この事業は、現在町内3,200人以上が登録している「健幸アプリ」を利用して、フレイル度のチェックや、集落実施の「元気アップ体操」への参加ポイントの付与などを行い、高齢者の健康増進や健康寿命の延伸を図ろうとする事業です。
 そして、このアプリとマイナンバーカードを連携することで、付与されたポイントの利用方法が広がったり、国や町が実施する事業が手軽に申請できたりと、今後、その利用範囲がますます広がっていくことが計画されています。
 「健幸アプリ」を利用されている皆さんは実感されていると思いますが、健康寿命を延伸する、つまりフレイル予防に役立つのは、外出したり、楽しく談笑すること、適度な運動をすることと言われています。
 そうは言っても、高齢者にとってスマートフォンやアプリは使いにくい物、という問題もあります。
 そこで、町として、講習の開催などにも力を入れて行く予定です。
 最初はちょっと取っ付きにくいかもしれませんが、最近のスマートフォン機能は向上しており、高齢者にとっても、使いやすく便利な機能が盛りだくさんです。
 まず、そのような講習の場に参加し、挑戦していただきたいと思います。
「多可町の高齢者は、スマートフォンをようつこてや!」
 そういう評判が立つことを願っています。


 

2023年04月号より
「令和5年度主要事業」

令和5年度の予算が議会で確定しました。
  例年のことですが、実施している事業の状況や、住民皆さんの声を加味し、11月後半から予算編成に着手します。各課の管理職へは、責任をもって課内の事業をスクラップアンドビルドし、配分された予算の範囲内で予算を編成する(包括予算)ことを要請しています。
 しかし、新しい時代への要請や新型コロナウイルスのような緊急事態があると、配分していた予算の範囲内に収まらないことがしばしば起こります。その場合は、町長査定を実施し、投入予算の効果をしっかり判定しながら調整を行います。
 このように役場内で綿密な調整手続きを経て編成した新年度予算(案)を3月議会に上程します。
 議会では、予算決算常任委員会の場で、行政側の説明を求めるとともに慎重に審査頂きます。
 その後、本会議で、委員会での審査結果を採決頂き予算として確定する事となります。
 数ヶ月の期間を要して確定した今年の予算で、昨年同様「子育てするならダントツ多可町」「生涯学び続けられる生きがいあふれる町」を目指します。
 なお、具体的な目玉事業は次の3つです。
 1つ目は「ふるさと多可町奨学金返済支援事業」です。奨学金を返済しながら多可町で暮らす若者の、奨学金返還額の一部を支援することで定住促進を図ります。
 2つ目は「小学校入学お祝い金事業」です。小学校入学時の経済的支援として入学お祝い金(5万円)を贈ります。
 これまで町独自の事業として実施していた妊娠出産時のお祝い金(10万円)給付事業は、国の事業となりましたので、予算を振り替えて入学お祝い金に充当します。
 3つ目は、仮称「生涯学習まちづくりプラザ」の建設です。いよいよ図書館機能を中核に備えた多世代・異業種間の交流と学びの拠点を整備します。
 また、令和6年度以降は、統合中学校の建設やゴミ処理施設の整備などビックプロジェクトが動き始めます。引き続き、長期財政計画に充分配慮しながら行政改革を進め、持続可能な行政運営のもと「子育てするならダントツ多可町」を具現化してまいります。


 

2023年03月号より
「多可高校存続に向けて」

能登半島の震災からほぼ2ヶ月が過ぎようとしています、遅々として進まない復旧・復興に心配が募るばかりです。
 多可町の職員も、震災発生直後から2月の中旬までに、3班6人が珠洲市の支援に向かいました。
 帰庁した職員の報告では、テレビなどの情報で伝わらないものの筆頭として「臭い」を上げていました。インフラとしての上下水道がいかに貴重であるかを身もって体験してきたようです。今後の町職員としての仕事に生かしてもらいたいと期待しています。
 さて、少子化の問題は多可町だけでなく兵庫県でもその対応が検討されており、その一環として公立高校の再編があります。
 本年度は、三木市内の高校を統合する調整が進んでいます。
 多可町の県立多可高等学校の存続も検討対象となっています。
 今のところ、各自治体に1校は存続させる方向で議論が進んでいますが、就学する生徒が減ってくれば当然、統廃合の対象となってきます。
 多可町では、多可高校への支援の一環として、西脇地区から通学する学生への通学定期の補助や、神姫バスの黒田庄ルートの運行を行っています。
 これに加えて、多可町給食センターからの給食サービスを計画しています。
 多可高校では、数年前から校内食堂の運営が中止となり、弁当などが必要となっています。
 現在、多可町給食センターから県立北はりま特別支援学校へ給食サービスを実施しており、多可高校へのサービスも今後実施する計画です。
 多可高校内の食堂などの改修が整えば、できるだけ早い時期からサービスを実施したいと考えています。
 こうした取り組みが、多可高校への就学の動機付けになればと思います。
 多可高校卒業生が、将来、多可町で活躍してくれることを期待し、町としてできる限りの支援を行っていきます


 

2023年02月号より
「被災地復興に最大限の支援」

令和6年の元旦の夕方、能登地方を中心に震度7を記録した大地震がありました。
2日には、災害支援に向かう海上保安庁の航空機と札幌方面から到着したJAL機の羽田空港滑走路上での衝突炎上事故と、新年早々から重大な災害が発生しました。
 この関連で亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、一刻も早い復旧・復興を祈るばかりです。 能登半島の先端にある珠洲市は、その地形状況から支援の手が届きにくい自治体です。
 その珠洲市と多可町は、森林環境を利用した健康保養地事業(クアオルト事業)に取り組んでいる全国協議会に加盟しており、従前から交流のある市です。
 私も6年前に、第5回クアオルト全国大会で珠洲市を訪れました。そして2年前に、第7回クアオルト全国大会を多可町で開催した際には、珠洲市の泉谷市長様も多可町にお越し頂く予定でしたが、その頃から群発地震が発生しており、お越し頂けなかった経緯があります。
 多可町として、一刻も早く支援の手を届けたいと思っていたところ、兵庫県災害派遣の第2陣で珠洲市と親交の深い多可町にと職員派遣の要請があり、1月11日から町職員2名が現地で避難所運営支援に当たりました。
 「水が無い、電気が無い、燃料が無い、食事が無い、寝るところも無い」という状態の避難所に、自己完結(自分の生活に必要な物は自分で用意する)型の災害派遣を呼びかけたところ、町職員からたくさんの志願者がありました。
 現地で避難所の運営に当たる珠洲市の職員の皆さんも被災していることが想像され、力になりたいとの思いから手を上げてくれたと思います。
 災害の状況から見て、先が長い支援になると思います。交流のある珠洲市の復旧・復興に、多可町としてできる限りの支援をして参りたいと思います。
 皆さまには、災害復興義援金等など、ご支援賜りますようお願い申し上げます。


 

2023年01月号より
「明日を見る、まちづくりを目指して」

新年あけましておめでとうございます。
 令和5年は、新型コロナウイルスが2類相当から5類へと変更され、ようやく平素へと明るい光が差し込み、多可町でも、集落行事や町内でのイベントが数年ぶりに開催するなど地域に笑顔と元気が戻ってまいりました。とはいえ、年末にはインフルエンザの大流行による学校閉鎖などで、再度感染症の恐ろしさを実感したところでもあります。
 3月には、WBCでの日本チームの活躍から始まり、多可町出身の大勢投手がプロ1年目でありながら世界の舞台で活躍をされ、たくさんの感動をもらいました。
 また、8月には多可町出身の門脇真衣さんが、スウェーデンの女子サッカーチーム「ローゼンゴード」とプロ契約、足立美翔さんが女子柔道48㎏級で日本一に輝くなど、多可町で育った子どもたちの活躍もめまぐるしい一年でした。
 そして、町の話題としては、令和8年開校予定の統合中学校の名前が「多可中学校」に決定し、制服についても、多くの町の皆さんの意見を取り入れ、これからの時代に合わせた素晴らしい制服が完成しました。
 さらに、11月には生涯学習まちづくりプラザの愛称が「Asmile(あすみる)に決定し、その建設工事に着手しました。
『あすみる』は、地域社会の中でみんなに出番があるように、生涯にわたって知恵を深め、そしてあらゆる世代の人たちが交流する居場所を目指しています。
 近くには、アスパルや子育てふれあいセンター、多可赤十字病院、そして多可中学校も開校を予定しており、公共交通のハブとしての機能もこの周辺に計画しています。スポーツに生涯学習に子育てにと「ここに来れば何かある!」と言う場所として、老若男女、大勢の皆さんに親しんでもらいたいと思っています。
 「あすみる」、そして「多可中学校」のスタートに向けては、本当にたくさんの町の皆さんが関わってくださり、多くの時間をかけて意見を交わし、検討をいただいています。
 町の皆さんとともに創り上げる多可町であり続けたいと改めて強く思っています。
 これに加え、西脇市と多可町で実施している新たなゴミ処理施設の建設も、建設の過渡期を迎えます。
 すべてが喫緊に実施しなければならない事業です。国・県の支援を活用しながら、財政状況を精査し、効率的に実施してまいります。
 「あすみる」の工事に際しては、中央グラウンドや関連施設の利用が出来なくなるためご迷惑をおかけしますが、今後も、こまめな情報提供に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 新年に当たり、皆さんのさらなるご健勝を祈念し、ご挨拶といたします。


 

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