こんにちは。たかおこし隊の黒川です。
玄関を開けて驚きました。
ヨネスケ師匠がシャモジをちらつかせてたわけではなく、
羊?
そんなはずありませんね。見た通り車です。しかし、寝ぼけ眼にパッと入ってきたとき、羊の体を覆う「巻き毛」がフラッシュバックしたのも事実です。
ぼくの住まいは多可町八千代区。
住民のみなさんが「寒いよ。でも雪は降らない」と口を揃えていたので、安心していました。
ところが、この時期の降雪です。
「あの話、なんだったの……」と呟きながら雪を拭い落し、おそるおそる車を発進。
いつもなら15分程度の通勤路は雪に覆われ、山陰にいたっては凍っているように見え、慎重に走ったら20分以上かかりました。
それにしても八千代区がこの状態なら、降雪地帯の加美区は?
昨日の現場を思い出した瞬間(たか歩き/008 冠雪、千ヶ峰 ~ 風土に震う)……全身に悪寒が走りまったものの、職場の先輩方に伺うと、どうやら八千代や中区では珍しい降雪とのこと。
それなら、本場の状況はどうか、この目で見たい。
車両担当の大先輩から雪道運転の鉄則を教わり、撮影に出かけました。
もちろんフードのチェックも万端です。
<雪道運転の鉄則>
・雪道は発着時の事故が多いので注意すべし
・停車後の発進は、まずブレーキを離し、車が前進を始めてからゆっくりアクセルを踏むべし(アクセルべた踏みは事故要因)
・ブレーキは何度かに分けるべし
・カーブを曲がっている最中のブレーキは特に危ないから、きちんと減速してからハンドルを切るべし
ラベンダーパーク
多可町は降雪の予報が出ると、大通りに凍結防止剤が撒かれるそうで、この日も道路の状態は良好。
八千代区より、加美区のほうが走りやすそうでした(運転は先輩)。
1つ目の取材先は「ラベンダーパーク」。
敷地面積5.0ha、シーズンになると約20,000株のラベンダーが花開く、国内有数のラベンダー畑です。
先日、開催された冬のホタルイベントは駐車場がいっぱいになるなど、普段は来客があって当然のテーマパークですが、さすがに今日は人の姿がありません。
足跡がない、神秘的な敷地。
10㎝は積もっています。
ところどころに冬の花も。
先輩が狙うのは野ばら。
雪化粧と一輪。風靡ですね。
ぼくも花を探そうとウロウロしていたら、
「そこに立って」と先輩の
堕天使になった数分間で、キャップに雪が積もりました。
杉原紙研究所
つづいて「杉原紙研究所」。
2020年12月、復元50周年を迎えた杉原紙。
1300年の歴史がある播磨紙の系譜とされ、現在の拠点がこの研究所です。
敷地には杉原紙の原料・楮(こうぞ)が山積み。
これから楮の仕込みが始まり、杉原紙の原料になるのだとか。
過程を取材したいなぁと思いつつ、楮の山の裏に回ります。
ぼくが住んでいた東京や和歌山では、なかなかお目にかかれない雪景色にほだされ、1時間程度を予定していた撮影が、気づけば正午 ―― 頭のなかにシャモジが浮かんだこともあり撤退しました。
撮影エリアの加美区から、役場がある中区に戻ると、辺りはすっかり雪解け。
わずか数㎞の距離を移動しただけで、多可町の地域性・風土の違いが如実に感じられます。
(おわり)