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【 たか歩き/040 】孫と祖父母のファッション写真「多可コレ」キャンペーン開始!(2021年7月13日)

地域おこし協力隊がカメラ片手に多可町を歩き、その様子をリポします

抽選で特産品が当たります!


こんにちは。たかおこし隊の黒川です。

 

今日のたか歩きは多可町発祥の祭日・敬老の日に、「孫とおじいちゃん・おばあちゃんでファッションを楽しもう!」というInstagramキャンペーンの紹介です。

▼多可コレ


多可町は昨年度、Sカレ2020で「敬老の日のプレゼント」を募集。和歌山大学柳ゼミナールチーム「蘭-RAN-」が最優秀賞になりました。

※Sカレ:マーケティングを学ぶ大学生が、商品化を目指す大学ゼミ対抗の全国規模のインターカレッジ。「SDGsに貢献する旅行商品」や「社会課題を解決する印刷製品」など、テーマが分かれている。兵庫県多可町は「敬老の日のプレゼント」の企画を募る。

「蘭-RAN-」が企画したのは孫とおばあちゃん&おじいちゃんが一緒に楽しめる「多可コレ」。
キャンペーンのポイントは、色や形、ブランド、着こなし、ジャンルなど、服に関する何らかの共通点を作り、装いを楽しむ「シミラールック」(シミラーコーデ)です。


 



祖母・祖父と孫がシミラールックで写真を撮り、#タグをつけてInstagramに投稿する仕組み。抽選で多可町の特産品などが当たります。

 

多可コレ 公式HP
http://takacolle.com


多可コレ 公式Instagramアカウント
https://www.instagram.com/takacolle2021/



そんな「多可コレ」が今朝「KISS FM神戸」、「4seasons」取り上げられました。

 



番組DJで多可コレアンバサダーの浜平恭子さんが、多可町の吉田町長と蘭-RAN-の面々にインタビュー。さらに、放送内でイベントの開始が宣言されました。

その模様はラジコで明日から1週間、タイムフリーで視聴可能です(7月13日放送回/9:20~。無料版は関西圏のみ)。

Radiko
タイムフリー「4SEASONS」



 

▼ショートインタビュー

和歌山大学柳ゼミ「蘭-RAN-」のメンバー​​​泉さん、市川さん、橋本さん


先日、「蘭-RAN-」が多可町に来てくれたので、すこしお話を伺いました。

黒 ―― 1泊2日の滞在、雨だったと思うのですが、予定はこなせましたか?

蘭 ―― そうですね。雨によって行ける場所が絞られ、1つひとつをじっくり体験したり、新しい出会いがあったり、かえってよかったかもしれません。キャニオンに泊まったのですが、夜はバーベキューもできました。

黒 ―― 企画についてですが、リアルイベントの開催は予定にありませんでしたか?

蘭 ―― 最初は多可町でファッションショーをしたいと考えていました。ただ、コロナ禍で開催が難しく、Instagramのキャンペーンに絞ったんです。

黒 ―― テーマが服だったのはなぜですか?

蘭 ―― 多可町は播州織の産地であり、身に付けられるものから考えました。ゆくゆくは地元の事業者さんやアパレルショップさんに運営してもらえたら、地域貢献にもつながるのでは?と期待しています。

黒 ―― 蘭の皆さんはおじいさん、おばあさんと交流されてますか?

蘭 ―― 近くで生活していたり、遠くにいてなかなか会えなかったり、祖父・祖母との距離感は3人それぞれですが、「あまりコミュニケーションが取れていない」感じは共通していました。敬老の日、そしてシミラールックをきかっけに、楽しい時間が過ごせるといいな、と。

黒 ―― そういった思いから始まった企画だったんですね。キャンペーンは今年だけですか?

蘭 ―― いえ、運営は私たちではなくなりますが、来年度以降も続く予定です。イベントって衣装がつきものじゃないですか。たとえばハロウィンなら仮装、七五三ならはかま・ふりそでが定番。「多可コレ」を通じて、「敬老の日といえばシミラーコーデだね」と、認知されたらと思っています。



 

▼「多可コレ」の参加方法


手順1 :「孫と、祖父母とシミラーコーデを撮影」
Instagramを起動して、写真の撮影もしくは左下のアイコンから写真をセレクト。

手順2 :「ハッシュタグをつけて、シェア」
ハッシュタグ「#多可コレ」「#シミラールック」の2つをつけてシェア。

手順3 :「公式アカウントをフォロー」
多可コレ公式Instagramアカウント「@takacolle2021」を検索してフォロー。

手順4 :「当選確認」
当選された方には、公式アカウントよりダイレクトメッセージが届きます。 ※プロフィールの非公開設定をONにされている方は、参加対象外になりますのでご注意下さい。



<特産品プレゼント

町長賞:多可町 特産品セット
ご長寿賞:多可町産『コシヒカリ(白米)』5kg
Insta賞:タカタータンアニバーサリーベア
Kiss FM賞:浜平恭子サイン入り オリジナルペアマスク10組20名様



 

多可コレ 公式HP
http://takacolle.com


多可コレ 公式Instagramアカウント
https://www.instagram.com/takacolle2021/



 

▼おわりに

「和歌山大学」と聞いて驚きました。
ぼくが6年住んだ和歌山にある大学で、取材に行きましたし、お世話になった方々の母校であり、そこそこ常連だったラーメン屋もすぐ近く(二郎系)。

そんな和歌山大学のゼミが、多可町のPR企画に応募。さらに最優秀賞を勝ち取り、敬老の日をテーマにしたInstagramのキャンペーンを張る ―― ちょっとした縁を感じました。

現在、蘭 ―RAN―の3人は大学4年ということで、就職が決まるなど進路も見えてきている時期。
「ゼミの活動は就職に役立ちましたか?」と尋ねると、「度胸がつきました」と満場一致でした。
「何百人の前で発表してきたので……プレゼンや面接は怖くなかったです(笑)」

そういえば、シミラールックってご存知でしたか?
ぼくは知らなかったので、ゼミ生に詳しく教えてもらい、「ああ、なるほど。それらしき恰好をしている若者や家族が多いなー」と。あれ、シミラールックっていうですね。

<生まれて初めて読んだ「大人の小説」
今回、「多可コレ」の企画に触発され、ぼくも祖母を回想しました。
おばあちゃん子だったので無数の思い出がありますが……こうして文章を書いていることにつながるきっかけといえば、一冊の本。
それは、生まれて初めて読んだ「大人の小説」。星新一の『気まぐれロボット』です。
ある晩、祖母と母がこの本を食卓に置き、あれやこれやと語っていたので、(きっとなんかしら面白いんだろう……)と察し、こっそり読み始めたのは小2の夏だったなぁと。

R氏、N氏、Y氏……星新一の代名詞ともいるイニシャル主人公がぞろと現れ、喋ったり、斜に構えたり、あっけにとられたり ―― 無機質な文体の諧謔的ショート・ショートは、どれもラストの一文で世界ががらりとかわる仕掛け。厚さ約5㎜の文庫本に、大人の不可解さ、世界の深さを教わりました。

山田風太郎、村上春樹、吉本ばなな ―― 大江健三郎や三島由紀夫もそう。祖母の食卓で多くの小説家を知りました。数十年後、自分でも文章を書き始めたのは、その影響をもろに受けたからかもしれません。


<子どもとおばあちゃん/おじいさんがコンビの作品>
ちょっと、カルチャー話に寄り道。古今東西 ―― 老人と子供をモチーフにした作品ってたくさんありますよね。皆さんも、一つや二つ、すらすらと口をつくのでは?

たとえば小説だとル・クレジオ「海を見たことがなかった少年」やヘミングウェイ「老人と海」は教科書に載ってましたっけ? どちらも老人/少年のコンビが有名です。
アゴタ・クリストフには「悪童日記」という作品があります。アナーキーな老婆と捨て置かれた双子の少年の特異な関係性を、淡々とした筆致でものした傑作です。

映画にしてもクロード・ペリの『老人と子供』やイーストウッドの『グラン・トリノ』は映画史に輝き、イングマール・ベルイマンなど、世代をテーマにした監督の作品は、高齢者/若者の関係性を多様に描いています。初老の作曲家が絶世の美少年に辞世の恋をする、『ベニスに死す』(監督/ルキノ・ヴィスコンティ)なんて問題作もありますね。こちらはトーマス・マンの小説が原作です。

マンガにも松本大洋など、この関係を印象的に描く作家がいますが、『ドラゴンボール』の悟空と亀仙人、『風の谷のナウシカ』のナウシカとユパ、『ブルーピリオド』の矢口八虎と佐伯先生(若いすぎ?) ―― どちらかというと、主人公に影響を与える師弟関係として描かれがち。上下関係ですね。青年や少年より、さらに幼い子どもの場合、横並びの関係になるかもしれません。こういった差異は西洋のカルチャーと比較しても面白そう。(おじいちゃん/おばあちゃんと孫に上下関係ってあるんでしょうか?)

ちなみに今年のマンガ大賞に輝いた『葬送のフリーレン』は長寿のエルフ族・フリーレンという魔法使いが魔王討伐の数十年後、勇者や僧侶……人間の仲間を天国に見送ってからのお話ですが……
遺されたフリーレンはまだまだ若く(幼く)、追憶の旅路で少しづつ、亡くした仲間たちの思いや秘密、自分への特別な感情に気づきます。
それは、仲間=同世代だった関係が、いわば師弟のそれに変化する過程。この変奏こそ作品のサビかなーと思うのですが……こじつけかもしれません(笑)

<ばあちゃん、なにが着たかった?>
なにはともあれ、シミラールック……「おれがもし、ばーちゃんとするなら、どんな格好だったかな?」と。

出かけるときは青や花柄のワンピース、よく着てたことを思い出して、「その色か柄で合わせようかなー」とか、たのしい空想ができました。30年前に撮れてたら、もっとよかったんですけどね。

そんな短篇でも書こうかな、イニシャルはN氏で。

(2021年7月13日)

連載【 たか歩き 】

▼「たか歩き」バックナンバー
https://www.town.taka.lg.jp/aruki/
多可町地域おこし協力隊・黒川直樹が取材記事や製作・SNS関連のノウハウ、多可町暮らしのあれこれを発信しています。
散策的なエッセイを目指していたのですが、近ごろは走行距離が増加。思いがけない長距離走に酸欠状態が続き、足腰がふらつくので、迷走が近いかもしれません。
取材・撮影・執筆:黒川直樹(多可町地域おこし協力隊(たかおこし隊) )

▼「たかおこ誌」
多可町地域おこし協力隊の広報誌

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