こんばんは。たかおこし隊の黒川です。
体の深いところがジクジク痛みます。
自業自得の極み、その痕跡みです。
<意見交換会>
今日は意見交換会があり、協力隊全員で参加しました。
ゲストはロバート・D・エルドリッチさん。
現在は兵庫県川西市にお住まいの国際政治学者です。
▼ロバートさんのHP
ロバートさんと多可町の歴史は、さかのぼること約30年。国際交流教育プログラムを通じ、英語教師として中町中学校に赴任したのが始まりだそうです。
<より厳しい、人口減少の見通し>
以降、約30年前に渡って多可町~日本と深く関り、独自の提言を続けるロバートさん。
今日も、地方創生や地域活性化、フリースクールの具体案、アイデアバンクと「朝活」のススメ、国際交流の実例など、様々な体験・事例を話してくれました。
ぼくにとって、とりわけ印象深かったのが人口減少についての指摘。日本の人口は右肩下がりで減っていますが、多くの専門家が言うより「もっと厳しい状態になるはず」とロバートさん。
「人口減少を予測するとき、出生率・死亡率を照らし合わせるだけでは不正確です。
たとえば、日本の学生が国内にとどまらないかもしれない。アメリカは、トランプ大統領の化学を軽視した発言を機に、優秀な学生がヨーロッパの大学や研究所にスカウトされるようになりました。いずれは日本の学生にも声がかかるでしょう。
こうした流れで国外に出る若者をカウントするだけでも、人口減少の予測値は変わります」
ここで、ある参加者がロバートさんに質問。
「若者が残りたいと思う町を作りたいんです。多可町は何を魅力として打ち出すべきだと思いますか?」
「そうですね、もしも決め手に欠くなら、作り出すのはどうでしょう?
幸せにしても、そうじゃないですか。私は、幸せは与えられるのではなく、自分で作り出すものだと思うんです。
なければ作る。仕事も人間関係も、町の魅力も同じ。大事なのは起業精神です。
子供のころから、こういった考え方を身につけ、養えるような環境作りが必要だと思います」
<気づかされた差別観>
会の終わり、ロバートさんと名刺交換をしました。その際、出身地を伺うと、「ニュージャージー州です」と教えてくれました。
ニューヨークの隣だったと思い、そう伝えたところ、ロバートさんは「違います!」と即答。さらに、こう言われました。
「ニューヨークがニュージャージーの隣なんですよ」
あれ?っと頭が真っ白になり、脳内マップを歩き直し……ぞっとしました。まっすぐにこちらを見る、ロバートさんの青い瞳に気づかされたんです。
いえ、記憶の地図が間違ってたわけじゃありません。ニュージャージーはニューヨークと縦並び。ただ、ロバートさんにとっては、生まれ故郷のニュージャージーが心の中心。なのに「ニューヨークの隣ですよね」と、こちらの中心や基準、先入観を押し付けた。差別的な発言でした。
ロバートさんにしてみれば、慣れたやりとりだったのでしょう。
ぼくが言葉を失い、どうにか「ごめんなさい」と謝るまで、ずっと微笑んでいました。
今後、外国にルーツがある人と話すときは、この会話が頭を過ぎると思います。
苦く、得難い国際交流でした。
意見交換会を開催してくださった皆様、そしてロバートさん。貴重な機会をありがとうございました。
(2021年1月27日)