海をも守る
森の人
2021年10月10日、なか・やちよの森公園(兵庫県多可町)で活動する「育てるグループ」さんに同行しました。
10月の異常な暑さのなか、朝から夕方まで、ボランティアの皆さんが登山道・遊歩道を整備する様子を撮影。汗水をダラダラさせ、荒息を吐きながら、道を整備されていました。
お気に入りのヴァルトコースや土曜日に登った笠形山、今日の現場「なか・やちよの森公園」の「ツツジの小径」など、「歩いていて気持ちいい。多可町の遊歩道、最高だなー」と言えるのは、このような活動をされる方々のおかげなんですね。
人生訓やアドバイスの100倍も濃厚な、ボランティアさんたちの背中の語り。すこし忙しくなると疲労でガタがきて、弱音を吐きまくる自分の日常が恥ずかしくなりました。
今日、教わったことがもう1つあります。
それは森が海につながっているということ。
森からしか排出されない鉄分が水に流れ、藻をつくり、河口や浜に豊かな海の生態系を生み出すそうです。
兵庫県は豊かな山の地形であり、600を超える河川が瀬戸内海に流れ込みます。この大小の川が養分の管となり、厳しい潮の流れとあいまって、海を耕す。「海は森」という言葉もあるそうです。
このお話を伺ったとき、多可町の森林から遥か、瀬戸内海までの命脈がうっすらと、でも具体的なイメージ(と生命の連鎖)を伴って、脳裏に浮かびました。
森の人たちは海をも守っていたんです。
写真展のイメージだけではなく、森で活動される方々の現れ方が変わりそうです。
土埃と爆音に立つ
森のアベンジャーズ
先週の木曜日、北はりま森林組合さんに同行をお願いし、加美区西山の山中で撮影。
ぼくにとっては初めての林業現場。
でも、職人の皆さんが作業や工具、工程について丁寧に教えてくださって(作業の流れがわかりやすいよう、組み立ててくださいました)、一連の流れをイメージすることができるようになりました。
見慣れない工具や大型重機、樹木を一本釣りするかのような職人技に感化されたのか、シャッターを押す指が止まらず、撮れ高も最高でした。
ぼくは4歳くらいまで重機マニアだったらしく、その時分に林業の現場を見ていたら、将来が決まっていたかもしれません。
だって斧にチェーンソー、乗り込み操るのは恐竜みたいな重機ですよ? 爆音の中で闘うアベンジャーズじゃないですか。
育てるグループさん、北はりま森林組合さん、取材のご対応ありがとうございました。
(2021年10月11日)