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【 たか歩き/020 】声を便りに.2 ~多可町の朗読ボランティアを訪ねて(草笛の会)

地域おこし協力隊がカメラ片手に多可町を歩き、その様子をリポします

八千代に響く朗読の草笛

田尻泰啓さん(多可町社会福祉協議会)にご紹介いただき、さっそく朗読グループを訪問。
お話を伺ったところ、3つのグループは設立年が異なるものの、朗読講座の開催・受講をきっかけに誕生していました。

しかも、すべてのグループで立ち上げメンバーがご活躍中!

今回はベテランさんから新人ボランティアまで幅広く集まっていただき、座談会形式で伺いました。

まずは「草笛の会」(八千代区)のお話です。

※話者のお名前は伏せ、グループの発言としています。ご了承ください。


 

記事のポイント

・朗読じょうずな子供たち
・声だけで性格や姿がわかるリスナーさん
・世界を広げる朗読
・図やグラフの説明が難しい
・息継ぎのタイミングが大事


 

「草笛の会」八千代区



朗読ボランティア:草笛の会
設立:平成2年8月
人数:5名
開催:月2回
場所:八千代コミュニティプラザ


 


多可町の朗読ボランティア、3つのグループで唯一、月に2回集まるのが「草笛の会」でさう。
初日は読み合わせをし、注意点や課題を相談。
その後、自宅で練習を行って、録音日を迎えます。


 ―― ボランティアの思い出を教えてください。

1.俵田を散歩
リスナーさんと一緒に、多可町の俵田を歩いたことがあります。手をつないで、風景を言葉で伝えました。喜んでいただいたのがいい思い出です。

2.小学生の朗読
去年(2020年)の2月、子どもたちが児童書の朗読を録音しました。福祉学習の授業だったようです。
入れ替わり、立ち代わり、子どもが担当個所を読むので、録音は大変でしたが、みんな練習してきて、偉いんですよね。もしかしたら、私たちよりも上手だったかもしれない(笑)
「ぼく、こんな声だったんだ!」と驚く子がいて、そんな姿を見ると嬉しくなります。

3.声で容姿が分かる
子どもたちは録音した朗読を、リスナーさんに手渡したんです。いい授業ですよね。

リスナーさんは耳がいいから、声だけで性格も姿もわかる。子どもたちの朗読も「この子は体が大きいんだろうな。優しい子だろうな」と思いながら聴かれたと思います。


 


 ―― 朗読の面白さはどんなところですか?

1.朗読は世界を広げる
朗読ボランティアは人に聴かせる役割。担当個所をきちんと読むために他の本で調べたり、勉強したりする必要があるんです。
こうした積み重ねのおかげで、普段は知れない……見られない世界が広がった。
リスナーさんに向けて読ませてもらうことで、自分自身がぐっと大きくなった気がします。

2.町に詳しくなれる
広報たかを精読するので、家族や友達の間でも、私が一番、多可町の情報を知っています(笑)

 ―― 朗読の難しさはどんなところですか?

1.字と音
字面では直感で分かる言葉も、音で聞くと混同しかねません。例えば「日(ひ)」「火(ひ)」「碑(ひ)」など。区別が付きづらいですよね。
こういった発音の言葉も、聴くだけですんなり分かるように、実際には誌面に書かれていない説明を付け加えることもあります。

2.図やグラフ、写真
図や写真を説明するのが難しいです。
こういった課題をクリアするには、ラジオの話し方、伝え方が最適ですね。
グラフのタイトルを先に読んだり、人物の表情や服装を伝えるむなど、工夫をしています。


 


 ―― 朗読するとき、どんなことに気を付けていますか?

基本は「口を大きく開ける」「アクセントに気を付ける」「句読点で切る」「気持ちを込める」でしょうか。
息継ぎのタイミングも重要ですね。一息で話しきれない文章もあるし、息継ぎを入れるタイミングで印象が変わるので、練習しながら決めていきます。


 
録音はグループ内で行なわれる


 ―― オリジナルは何を読まれていますか?

毎年5月発行の“那珂ペンクラブ”のエッセイ集『ペンペン草』と、文化連盟の機関紙『たかの風』です。
地元の風景や出来事がテーマなので、リスナーさんに好評です。「知ってるところが出てくる」って。
また、「あの人が、こんなエッセイを書くんだなあ」と、お友達の新たな一面を発見することもあるそうです。



(2021年2月3日)
 

連載【 たか歩き 】

▼「たか歩き」バックナンバー
https://www.town.taka.lg.jp/aruki/
取材・撮影・執筆:黒川直樹(多可町地域おこし協力隊(たかおこし隊) )

▼「たかおこ誌」

多可町地域おこし協力隊の広報誌

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