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【 たか歩き/065 】日曜の町内探索 ~和凧づくり、三味線ライブ、古民家公民館(2022年1月11日)

地域おこし協力隊がカメラ片手に多可町を歩き、その様子をリポします

「さわり」こそ情緒


こんばんは。たかおこし隊の黒川です。
日曜日に3件、取材と体験をしてきました。


 

伝統の和凧づくり


まずはなか・やちよの森公園のイベント「伝統の和凧づくり」。

はさみと糊を使って工作し、絵を描いた紙の裏側に骨を貼って、糸を通して和凧を完成させました。


 

 

正味2時間、あっという間でしたー

小学生が参加してたんですが、選んだイラストは「ドラえもん」。
いまも人気なんですねー

ただ、描くとなると……尻尾って青だった? 白かな?
口のなかは白……青だっけ?

言われてみると覚えてなくて、当てずっぽでやったら酷いことになりそうでした(笑)


 


ぼくは凧いっぱいに「寅」の字を書き、黒と黄色で彩色したんですが、どこからどうみても某プロ野球チームのカラー。

「そんなマダラな塗り方じゃ、今年も優勝でけへん!」

スタッフさんから笑われたので、すこし色を濃く仕上げました(笑)高く揚がるかなー

▼イベントレポート(なか・やちよの森公園HP)
https://www.nakayachiyonomori.com/news/1929/



 

浄瑠璃ミニライブ
 


次は加美区の「レンタルスペースどんぐり」で開催された、三味線のライブ。

義太夫「伽羅先代萩」の6段目・前半部が謡われました。

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第11回 どんぐり浄瑠璃ミニライブ
『伽羅先代萩』〈政岡忠義の段〉
https://www.facebook.com/katuko.tsutsui
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謡い手は鶴澤友球(ともじゅ)師匠
淡路島を拠点とされる浄瑠璃三味線の奏者です。

友球師匠は場を和ませる口上から、さっと襟を正して演奏に入られたのですが、まさに変幻! 切り替わるんですね!

登場人物4名を謡い分ける技術、心得 ―― 中世日本の場と空間が立ち上がって、まるで目の前で歴史的な名場面が繰り広げられているかのような臨場感でした。



・生死を賭した女の群像
『伽羅先代萩』の6段目といえば「知られたパート」とお聞きしました。

物語の聞きどころは女同士の対決 ―― 毒入りの菓子を子どもに食わせたい女、そして、絶対に食べさせたくない女の争いです。

強いるのは絶対的な立場の女、時の将軍の次に偉い官僚の妻。つまり、拒めるはずのない命令です。にも関わらず、子ども(跡継ぎ)の乳母は、あの手この手でいなします。

もちろん、互いに毒のことは伏せたまま。建前と建前がぶつかり、火花のように本音が垣間見える。
お座敷で繰り広げられる毒々しい政争 ―― その渦中に幼子が置きざりです。

さらに、横やりを入れる別の女も脇に立ち、なにも知らぬ子が突然現れ、謡いに喚起されるその映像は想像するだけで苦しく、目を背けたくなります。

ただ、本当に恐ろしいのは三者三様(実際の主要人物は約4名ですが)の心理なんですよね。

主とは? 家臣とは? 妻とは……母とは? 愛とは?

本質を問答し、ことの憐を露にするような傑作といえば、たとえば上田秋成の「雨月物語」に収載される『白峯』。
西行法師と崇徳上皇の霊が対面し、理知的な弁証法とやりきれない心情の絡み合いが読みどころの傑作です。

ただ、あちらは当代きってのインテリと最高権力者の対決。
かたや『伽羅先代萩』を織りなすのは人間だけ、かつ6段目は女ばかりの世界です。
人間の本性や腹づもりが露呈される演目は、多くの方が身近に感じされるのではないかなーと。

それに、物語をドーンと跳ねさせるのが、ひとつの合点、いや……大いなる誤解。

映画や小説、マンガをさかのぼれば、面白い設定や人物がいくつも見つかりますが、『伽羅先代萩』の山場のように裏返り、さらにそれが表に捻り返るアクロバティックなシナリオって、現代にどれだけ存在するのか。

しかも、史実をベースにしているとしたら、なおのこと……そんな『伽羅先代萩』、筋だけでも辿ってほしいです。

ちなみに演目の後半部は2月12日(土)、同じスペース「どんぐり」さんで友球師匠が謡われるので、ご興味があるかたはぜひ! 

義太夫に唸る太竿の三味線、さらに磨きあげられた声音のグルーブ、あいまった迫力は感激ものです。


 


・さわり
ライブのあと、三味線体験会を開催いただき、なんと師匠の三味線を構えさせてもらいました!

体に抱え、左右の腕で支えるギターと違って、三味線は右の下腕と太ももで挟むだけ。それでビタっと決められるかどうかが「筋の良さ」だとか。

ぼくはグラグラでしたが(笑)いいですねー、初めてすることって。昂りました。姿勢はよくなるし、奏者がいかに大変なことをしているかが、ちょっとだけですが、わかります。

体験のとき、友球師匠から「さわり」について興味深いお話を伺いました。

「三味線は3弦ですが、1弦を弾けば他の2弦も同時に震えます。いわゆる倍音、三味線用語で「さわり」ですね。葉っぱがこすれ合う音、川のせせらぎ……日本人は、こういう「さわり」の音に情緒を感じます。でも、西洋の人はそうじゃないようで、特に音楽家は「雑音」として嫌がる人が多いんですよ」



 

古民家公民館(多可町加美区)


この日、最後に取材させていただいたのはこちら、古民家公民館さん。

2021年、多可町の加美区にオープンしたレンタルスペースです。

レンタルといえど、通常は無料で利用できて、のんびりお茶を飲んだり(持ち込みのみ)、グランドピアノを弾いて過ごせたりします。

リフォームされた古民家は、もともと播州織の工場。

塗り替えられた床と時代がついた柱や壁、そしてノコギリ型の屋根から降り注ぐ柔らかな日差しが溶け合った空間が心地よい。


 




ふらりと遊びに行くだけなら無料!(要、事前連絡)。

有料イベント開催時は下記、「寄付金システム」を採用されています。

 ・主催・演者・スタッフは1人につき500円
 ・入場者は1人につき200円
 ・寄付金は全額「認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね」に寄付

音響設備やプロジェクターなど、無料レンタルの設備も豊富。

詳しくは古民家公民館のオーナー・パンダモドキさんにご相談いただくと、詳しく教えてくれます。
内観を動画撮影させてもらったので、ご参考くださいー

▼【 ラッシュ 】古民家公民館の内観(兵庫県多可町加美区)


▼パンダモドキ Instagram
https://www.instagram.com/pandamodoki_/

▼パンダモドキ YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/.../UC-woCIioCAC_h5dEo3K64lQ/videos


 

(2022年1月11日)

連載【 たか歩き 】

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多可町地域おこし協力隊・黒川直樹が取材記事や製作・SNS関連のノウハウ、多可町暮らしのあれこれを発信しています。
散策的なエッセイを目指していたのですが、近ごろは走行距離が増加。思いがけない長距離走に酸欠状態が続き、足腰がふらつくので、迷走が近いかもしれません。
取材・撮影・執筆:黒川直樹(多可町地域おこし協力隊(たかおこし隊) )

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